イーロン:多くの人が、私のことをビジネスパーソンか何かだと思っているようです。それはそれでいいんです。SpaceXでは、グウィン・ショットウェルが最高執行責任者(COO)を務めています。私は、宇宙船のFalcon 9とDragonの改良、そして火星植民地アーキテクチャの開発に取り組んでいるエンジニアリング・チームと一緒にいます。

Teslaでは、Model 3の開発と、デザインスタジオで週に半日ほどデザインやルック&フィールに関わる仕事をしています。そして、残りの週のほとんどは、車自体のエンジニアリングと、工場のエンジニアリングを進めています。今年私が得た最大の啓示は、本当に重要なのは、自動車を作るための工場の機械であり、それは少なくとも自動車そのものよりも一段と難しいということです。

サム:ここ(編集部注:インタビューは米国・カリフォルニア州にあるTeslaの工場で実施された)で車を作るロボットを見て驚きました。

イーロン:この設備は、Model 3を作るギガファクトリーに搭載されるものと比べると自動化のレベルは比較的低いですね。

サム:このラインのスピードはどのくらいですか?

イーロン:ラインの平均速度は信じられないほど遅いです。おそらく、Model XとSの両方を含めると、1秒間に5センチメートルくらいでしょう。これはとても遅いです。

サム:この先、どうなりますか。

イーロン:少なくとも秒速1メートルは出せると思います。20倍ですね。

サム:それはとても速くなりますね。

イーロン:そうですね。秒速1メートルはゆっくり歩く速度だと思います。早歩きは秒速1.5メートルで、最も速い人は1秒で10メートル走れます。もし私たちが秒速0.5メートルしか出せないとしたら、それはとても遅いです。秒速1メートルでも生産ラインより速く歩けるでしょう。