リファービッシャーはBack Marketが設けた独自の品質ガイドラインに従わなければならない。その基準を満たさない業者は登録を解消されるという。

また、Back Marketの従業員が業者から無作為に商品を購入して評価する「ミステリーショッピング」といった制度を導入することで、品質維持に繋げている。Back Marketが販売する商品の故障率は約4%。同社の調査によると、市場に出回る新品のガジェットの故障率は3%ほどなので、ほぼ同程度だと説明する。

iPhoneの値上げは整備品市場の「追い風」

Back Marketが日本でサービスを開始したのは2021年3月のこと。同年に携帯電話キャリアでのスマートフォン購入時のSIMロックが原則禁止になることを見越して、日本展開に踏み切った。

日本市場での主力商品は、冒頭でも触れた「iPhone」シリーズだ。ジェローム氏は「日本ではiPhoneユーザーの比率が非常に高い。そのためiPhoneの値上げは、Back Marketにとって追い風となるでしょう」と期待を寄せる。

Back Marketは1月、シリーズEラウンドで5億1000万ドル(約586億円。当時のおおよその為替レート、1ドル=115円で換算)の資金調達を実施。評価額は57億ドル(約6555億円。同上)となった。

ジェローム氏は日本市場に投入する金額は明かさなかったが、採用とマーケティングを強化する方針だと述べた。2023年には今年と比べて3倍規模の売上を目指すという。また、現在はウェブのみでサービスを展開しているが、2023年にはアプリ版もリリース予定だ。

モバイル専門のマーケティング機関・MMD研究所の調査によると、整備品を含む中古スマートフォンの所有率は年々上昇している。2020年3月には6.1%だったが、2022年4月には11.6%にまで上がった。今後、Back Marketで販売されるような整備品が、消費者の選択肢の1つとしてより浸透していく可能性は高い。