今回は、Z世代の消費行動をデジタルネイティブである彼らの情報収集の基盤にもなっているSNSをもとに解説していく。

Z世代が当たり前に使いこなす、各SNSの役割と特徴

Z世代にとっての情報収集源はテレビをはじめとするマスメディアではなく、SNSがメインとなっているのは言うまでもない。加えて彼らは用途に応じて各SNSを自由自在に使い分けているのも大きな特徴のひとつと言える。そもそもSNSを日常的に利用することが当たり前になっているため、商品・サービスの情報もSNSで収集している。

SNSで気になるものは投稿の保存機能などを使ってストック、さまざまなチャネルから情報収集を行うことで商品を検討、最終的にはレビューを活用し自らのブランディングに沿っているかを判断、購入の意思決定をする。

TikTokは興味喚起がメイン

では、それぞれのSNSの特徴と役割はどうなっているのか。「TikTok売れ」というワードと共に現在最も注目を集めているTikTokはユーザーの興味を喚起しやすい特徴がある。ユーザーは暇つぶし程度で利用しているものの、バズが生まれやすいアルゴリズム(視聴者の興味関心をもとにオススメ動画が流れる)によって興味が喚起されやすいUIになっているのだ。

ちなみに、TikTok上で購買に繋がりやすいものは低価格帯で、なおかつ実店舗で購入されるものが多い(編集部注:現状、TikTok上で商品を直接購買できる機能はない)。利用者の年齢層は年々上昇しているとは言うものの、いまだにZ世代の利用は多く、“とりあえず試してみよう”というハードルの低い商品の購買が多いようだ。

Twitterは購買直前の意思決定に使われる

Twitterは購買直前の意思決定の際に利用される。SNS上での「バズ」の元祖と言っても過言でないTwitterは、商品を認知させる力は今でも強い。またそれだけでなく、リアルタイムで口コミも見られるため、最後の意思決定の背中を押す役割を担っている。

最近では動画の切り抜きを引用し、テキストで解説する「切り抜きツイート」が毎日のようにバズを生み、話題を集めている。そうしたツイートのバズによって商品を認知してから、他のチャネルを経由して情報を精査したのち、最終的に一般ユーザーの口コミをツイートを見て収集して購買直前の意思決定をするに至るまで、Twitterは用いられることが多いようだ。

Instagramの役割は雑誌、認知後の受け皿にもなる

Instagramは、雑誌に近い役割を持っている。ユーザーが自身に合った世界観やコンセプトのアカウントをフォローするため、顕在化したニーズにマッチした情報を、まるで雑誌をパラパラとめくるように届けて認知させる力が強い。