グルメサイトは「予約」と「メニュー」のみに利用──変わるポータルサイトの利用

Z世代においては認知から購買の意思決定に至るまで全てがSNSで完結することが多くなった結果、ポータルサイトの利用にも変化が起きている。具体的には、Z世代は商品購入だけでなく、食事に出かける際もSNS上で飲食店を探し、口コミを閲覧する。そのため、ポータルサイトの位置付けは「予約」という最終アクションのみとなっているようだ。

例えば、Instagramの発見タブ(虫眼鏡のマークをタップしたときに表示される画面のこと)や、友人のストーリーズ投稿で偶然気になる飲食店を見つけることが多い。お店の雰囲気や気になる食事の内容はそれらの投稿でわかるため、そのお店に行ってみたいという認知と興味喚起はSNS上で完結するのだ。

ただし、SNSに載っていないメニューや金額感、またお店を予約することはSNSでアクションするのが難しいため、ポータルサイトで詳細な最終アクションをするという。実際にZ世代に、(食べログなどの)ポータルサイトの利用について聞いてみたところ、利用するのはメニューを閲覧する時と予約する時に限るとのことだ。

飲食店向けの予約・顧客管理システムを開発するTableCheckが実施した「グルメサイトに関する意識調査」によれば、2020年と比較してグルメサイトの利用率は減少し、GoogleやSNSなどが検索ツールとして存在感を高めている。

もちろん、明日から急にポータルサイトが使われなくなるわけではない。最終アクションとしてポータルサイトが利用される機会はまだまだあるだろうが、その前段階での認知拡大や情報収集する際の受け皿としてのSNSの存在感は年々強まっている。

もはやSNSなしでは、企業がZ世代に対してアプローチをとるのは極めて難しいだろう。SNSを使って何か取り組みを始める際は、ここで紹介した各SNSの役割を認識し、取り組みの内容がそれぞれのプラットフォームにマッチしているかどうかを意識することが重要になる。