渡辺:Astarは、日本発のパブリックブロックチェーンである「Astar Network」を開発しています。Astar Networkは、ブロックチェーン同士の相互接続を想定したパブリックブロックチェーンです。

インターネットは「The Internet」というように世界中を繋げる1つのネットワークです。一方でブロックチェーンはレイヤーは違うものが数多く存在しているものの、まだ相互接続されていません。それゆえにできないことがたくさんあります。ですが、将来的にはブロックチェーン同士も繋がってくると考えて開発を進めています。

Web3はグローバルなムーブメントです。僕は日本人として、日本経済を代表する、そして歴史を振り返って、その時代を代表するようなプロダクトやネットワークを作っていきたいと考えています。

GCPは今の日本のインターネット産業を作ってきたベンチャーキャピタルと言っても過言ではありません。そのGCPとAstarがWeb3領域でコラボレーションをすることで、2つのことを実現したいと考えています。

1つめはWeb3領域に挑戦する起業家の数を増やし、僕たちAstarのネットワーク上で動くDApps(ブロックチェーン上で運用する分散型アプリケーション)の数も増やすということ。そして2つめは、Web3のモメンタムを次のステージに持っていくということです。日本では今、Web3が政府の「成長戦略」および「骨太の方針」にも入ったタイミングでもあります。

また、Web2のコミュニティの方々に対してWeb3の考え方を伝える。逆にWeb3のコミュニティの方々に対してWeb2の考え方をことを伝えるといった行動もしていきたいと思っています。今はWeb2とWeb3、それぞれのコミュニティにおいて、ある種の対立構造が語られることがあります。ですが、Web3とWeb2は「トレードオフ」ではありません。それぞれは「補完するもの」だと思っています。

──GCPとしての今回の取り組みの意図を教えてください。

高宮:渡辺さんがおっしゃったことにも極めて近いです。1つには、日本という国としても、日本のスタートアップエコシステムとしても、Web3という大きなチャンスに乗り遅れると、産業として危機的な状況になるのではないかと考えています。加えて、Web3とWeb2の思想は対立構造で語られがちですが、実際は対立するものではないと思っています。