ライフイズテック代表取締役の水野雄介氏は自らの株主である、化粧品大手・ファンケル創業者の池森賢二氏の投資を例に挙げる。池森氏は2018年に池森ベンチャーサポート合同会社を立ち上げてスタートアップなどに投資をしているが、同ファンドの運用期間は40年なのだという。池森氏は現在85歳。「ちゃんと返せ、リターンを出せというメッセージはありますが、『自分(池森氏自身)に返せ』ということではない」(水野氏)

またユニファ取締役CFOの星直人氏はインパクトファンド(インパクトスタートアップへの投資に特化したファンド)の増加も重要だと説いた。会見後追加で話を聞いたところ、日本でスタートアップ株式のセカンダリーマーケットが活性化することもインパクトスタートアップ成長の鍵になるとも語った。あるVCファンドが終了しても、成長可能性のあるスタートアップであれば別のファンドが株式を買い取って支援を続け、長期間のスタートアップ育成が実現するのではないかということだ。

こういった声に対してVCはどう考えるのか。あるキャピタリストは「最近は少しずつではあるが運用期間の長いファンドも増えてきている」と説明。また同時にインパクト投資特化のファンドをはじめとして、VC投資に限らず、より幅広い資金調達手段が必要だとも語った。多様なスタートアップが生まれ、育ちつつある今、投資家にも多様性が求められはじめている。