その華やかなイメージとは裏腹に、過剰生産、大量廃棄、水質汚染など、多くの社会問題を抱えるアパレル業界。石油業界に次ぎ、世界2位の汚染産業とも言われる業界の変革に挑んでいるのが、イスラエル発の企業・Kornit Digitalだ。
Kornit Digitalの強みは、水を使わない独自のプリント技術だ。その技術を活用した衣類向けインクジェットプリンターを製造し、アパレル企業などに販売。プリントTシャツをはじめとして、衣類のオンデマンド生産などを実現することで、過剰生産や水質汚染といった課題の解決を目指す。
7月には写真専門店「パレットプラザ」などを展開するプラザクリエイトが、Kornit Digitalのプリンターを導入するなど、日本でも少しずつ導入が進んでいる。日本での戦略や今後の方針について、Kornit Digital CEOのロネン・サミュエル氏に話を聞いた。
サステナブルなブランドに魅了される米国のZ世代
Kornit Digitalは、世界では年間に21億枚もの衣類が過剰生産され、28兆リットルもの水がアパレル企業によって汚染されていると主張する。同社の主張に限らず、環境負荷の軽減を目的に、リセールやリペアといった取り組みに力を入れるアパレル企業は増えつつある。
例えば、スニーカーブランド「Allbirds」を展開するAllbirdsは2月、二次流通プラットフォーム「ReRun」を開始。アウトドアブランド「Patagonia」を展開するPatagoniaやジーンズブランド「Levi’s」を展開するLEVI STRAUSSはリペアサービスを提供し、「アイテムを長く愛用」することを顧客に推奨している。