徳力 コミュニケーションツールとして、はまったWebサービスはありますか。
山崎 ミクシィですね。大学2年生の頃から「ハモネプ」(フジテレビ系列バラエティ番組のコーナー)に出演して歌を歌っていたので、ミクシィでファンと交流していたんです。
あえて、自分から交流しようと思ったわけではなかったのですが、まあバレたというか。ファンだと思って承認すると、心ないコメントをする人もいて。だから、ネット上でひどいことを言われることにも慣れているんですよ。
徳力 山崎さんが、インターネットに対してフラットな視点を持てているのは、タレント活動をしていた経験があるからかもしれません。
山崎 そうですね。ライブをやるときは、そのコミュニティを活用して宣伝したり、より積極的にコミュニケーションしたり、無意識にやっていましたね。
タレント活動をあっさり辞めて、サイバーエージェントに就職
徳力 そこから新卒でサイバーエージェントに入社されるわけですよね。学生時代からテレビに出ていたのに、就職されたのは、なぜですか。
山崎 僕自身が人気になっているというよりも、宇多田ヒカルさんなどのすばらしい楽曲をコピーし、それが「ハモネプ」というフォーマットに乗ることで人気が出ていると考えていました。音楽は好きですが、自分をアーティストだと思ったことは、一度もなかったですね。
徳力 出演していた人が裏方に回るというのは、珍しいですよね。性格的にも、その方が向いていたのかもしれません。
山崎 そうですね。とはいえ、スマートニュースでもプロモーションのためにテレビ出演していたので、出ることに抵抗はないんです。
徳力 サイバーエージェントに入社されたのは、なぜですか。
山崎 いろいろな会社のインターンに行ったなかで、一番しっくり来たんです。大学では経営戦略のゼミに入っていたので、周りはコンサルティング会社に行く人が多かったのですが、サイバーエージェントの人が一番生き生きして見えました。「自分で決めて、自分で責任を負いながらやる」という文化も、僕の性格に合っている気がしました。
徳力 では、インターネット系の会社に絞っていたわけでも、サイバーエージェントで特段何かやりたいことがあったわけでもなく。
山崎 はい。今、振り返ると、小さなチームでスピーディーに事業に挑戦できるところに魅力を感じていたのだと思います。そういう会社であれば、短い修業期間で、若くして責任あるポジションにつけますよね。