コロナによって何かしらの商いをしている人たちが「オンラインにファンアセットを持っていないリスク」と「オンラインのファンコミュニティをマネタイズできないリスク」を強く感じるようになったと思っています。ソーシャルメディアと各種ノーコード系サービスにより個人やSMBがチャレンジする環境が日に日に便利になっているので、個人やSMBのやる気と才能次第で大きな熱量を生み出すことができるようになっていると思います。

そんな大きなうねりの中で、汎用機能はアンバンドルされ、無駄な中間機能は淘汰され、ニッチマーケットがバンドルされ、を繰り返して行くんだと思います。

ヘイ代表取締役社長 佐藤裕介氏

  • 2020年の振り返り

フードデリバリーやオンライン接客などもすべて“商取引の電子化”と考えると、狭義の意味でのEコマースの大きな伸長も含め、2020年はEコマースの年でした。さらに広い定義で捉えると、Eコマースは世界のデジタル化であり、オフィス空間やカフェで友達とおしゃべりするといった時間も、ZoomやDiscordに置き換えられています。

そういう意味で2020年はメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間のこと)が初期的なスタートを切った年と認識されるのではないでしょうか。

  • 2021年のトレンド予測

仮想世界、オンライン上で多くの時間を過ごすことについて関心があります。仮想オフィスともいえるZoomやSlack、Teamsはもちろん、DiscordやBunch、日本でいえばリアクト社の提供するパラレルなどのコンシューマ向けコミュニケーションインフラと、Fortnite(フォートナイト)、Minecraft(マインクラフト)、あつ森(あつまれ どうぶつの森)、Among Us!、ROBLOX などのコンテンツです。

コロナ禍で生活主体のオンライン移行が加速し、インターネット上の仮想空間にオフィスがあり、友達とのたまり場があり、そこで過ごす時間が大きくなったことはワクチンが流通し感染リスクが下がった場合においても不可逆ではないかと思います。

グッドパッチ代表取締役社長 土屋尚史氏

  • 2020年の振り返り

コロナによってDXの流れが加速した一年だったと思います。広い意味でDXと呼ばれる領域が想定よりも早く加速しました。

toCの領域では、人々の移動が制限されてリアル店舗に足が運べなくなり、自宅で消費行動をすることによりECが大きく伸びました。toB文脈では、今までリモートワークを行ってこなかった会社が、強制的に移行し、リモートワークで機能するツールやサービスの分野が大きく成長しました。この一年は、より消費者がシビアになり本質的に価値のある領域が伸び、それ以外のサービスが淘汰される一年だったのではないでしょうか。