リモート文脈でいうと、Goodpatchも「Strap」というクラウドワークスペースツールをリリースしましたし、完全リモートでデザイン支援を行うGoodpatch Anywhereというチームを組成しています。たまたまではありますが、このコロナの経済環境の中で追い風になりました。

  • 2021年のトレンド予測

すでにDXは大きなトレンドになっていますが、2021年、特に注目なのは「行政のDX推進」です。2021年は政府がデジタル庁の立ち上げを検討しており、関連予算だけでも3000億円の予算が組まれています。省庁全体の補正予算では、国家予算の100兆円のうち1兆円がデジタル関連に使われるという記事も出ており、行政のDX推進に対してサービス提供する企業は非常に注目度が高いと思っています。

KOHKOH代表取締役社長 ハヤカワ五味氏

  • 2020年の振り返り

toC領域で言えば、誰かとの関係の中や体験などに使う消費よりも、自分や生活に使う消費が増えたのは間違いないと思います。具体的には、ルームウェアや観葉植物、製菓、インテリアなどです。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えたことで、住環境の見直しも多く、引っ越したり、マンションを買ったりする人も増えたように見受けてます。

その一方で、前者の「誰かとの関係の中」で使うお金に関してはコロナが落ち着いたとしても戻る見込みはないんじゃないかなと思っています。なぜなら、「何となく飲みに行こう」といった飲み会の数は減りましたし、外出自粛の結果、自炊をせざる得なくなった人たちが「思っていたよりも自炊って安上がりだな?」ということ気づき、出費に渋くなり始めているのではないか、と思うからです。

  • 2021年のトレンド予測

オンラインでの資産形成と、それに関連した「InsurTech(インシュアテック)」かなと思っています。コロナで在宅時間が伸びたことにより広く生活の見直しがあり、自分自身のことを見直している人が多いような印象を受けています。その結果として結婚やローン組みなどの大きな決断を取っている人が身近でちらほら出てきており、この動きはもう少し広く起きるのではないかなと思っています。

その傾向が強くなってきた際に気になるのが、自分自身の資産状況についてです。金融庁が「老後には厚生年金以外に2000万円が必要だ」という発言に端を発した“老後2000万円問題”もありますし、コロナで世界情勢も自身の雇用も先行き不安になってくると、それらを今後どうしていくかに注目が集めるのではないかと思っています。