また、求職者側も、リモートワークが拡大して移動時間が減り、さらに社内外の会食機会もなくなったため自由に使える時間が増え、今後のキャリアのために副業をやってみたいとおっしゃる方が増えました。通常の正社員採用という文脈でも、面接のためにオフラインで何度も会いづらくなってしまったので「お試し転職」として、1〜2カ月オンラインで副業として一緒に働いてみることを選考方法の一つとする企業が増えました。

我々としては非常に大きな価値観の変化だと捉えているので、この領域のリーディングカンパニーとして市場を牽引していきたいと考えています。

  • 2021年のトレンド予測

2021年は「ポジティブ・アクション」が一般的になると考えています。ポジティブ・アクションとは、管理職以上になると極端に女性比率が少ないなど、男女労働者の間に何かの差が生じている場合、それを解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組みのことを指します。

最近では、独立系VCのANRIが投資先の選定にポジティブ・アクションを行うことが話題になりました。彼らの考えは非常に真っ当で、機会が均等なのであれば起業家や役員陣についても男女比は1:1に自然となるはずです。今、実態はそうなっていないことが多く、そのことへの違和感に気付く人が増えたのが2020年だったように思います。2021年は、SDGs(持続可能な開発目標)の観点でも各社対応を余儀なくされると考えています。

SYN代表取締役CEO 大見周平氏

  • 2020年の振り返り

食のEC系サービスは大きく成長しましたが、Chompyも含まれるフードデリバリー市場は特に大きく成長しました。2020年は約3000億円の市場規模になりましたが、2019年は1000億円弱なので、3倍以上に成長しました。

この成長を支えたのはやっぱり飲食店舗のデリバリーやインターネットサービスへのマインドの変化が大きいと思います。出店する店舗のジャンル・数が飛躍的に増え、結果的にユーザーデマンドが喚起されました(コロナもあり加速しました)。

店舗売上におけるデリバリー比率が50%ほどまでに高まっている店舗さんも増えてくる中で、いかに上手にインターネット・デリバリーを飲食店経営に組み込むかが重要になりますし、プラットフォームとしては変化する店舗さんニーズに向き合いながら、最終的にユーザーが求めるものを作れるかが大事と思っています。

  • 2021年のトレンド予測

個人やSMBをエンパワーメントするサービス・ポテンシャルを引き出すサービスは引き続き注目しています。また、それを極力ソーシャルな形で実現するサービスがトレンドの中心になって行くと思います。