そのため、オンラインでの資産形成や、それに関連して保険関連(日本では金融商材的な見られ方もするので)、場合によってはそれらのコーチングをするFPサービスみたいなのも需要が高まるのではないか、と思っています。お金系のサービスは最近特に力を入れてウォッチしていますし、私も女性向けにお金系のサービスをやってみたい気持ちあります。
LayerX代表取締役CEO 福島良典氏
- 2020年の振り返り
「個人の資産運用」「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」「業務のデジタル化」の3点に注目が集まった年だったと思います。今年は未曾有の財政出動により、いわゆるお金の価値が減り、不景気なのに株高、コモディティ高となりました。また、アンチインフレ資産であるビットコインはバブルと言われた2017年以来の200万円をつけており、株価も各国で過去最高レベルの水準に達しています。
それを受けて個人の資産運用も活発になりました。ウェルスナビの上場、各種投資型クラウドファンディングの勃興、PayPayの普及による銀行預金から電子マネーへの滞留の変化により、個人の資産運用サービスが大きく成長した1年でもありました。
この傾向は来年以降、さらに加速すると思っています。CBDCはいよいよ中国で実証実験が始まり、各国もそれに追随。日本でも日銀がPoCの主導を発表するなど、お金のプログラマブル化にとって歴史的な一年になりました。来年は実際に動くものが各国から登場し大きく動くはずです。業務のデジタル化は、まずペーパーレスが始まりました。今後は証券、請求書、契約書、稟議、行政手続など、「価値を規定するデータ」が単なるペーパーレスではなく、周辺の業務フローまでデジタルなものになり、劇的な生産性向上を起こすと思います。
- 2021年のトレンド予測
「個人の資産運用」「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」」「業務のデジタル化」が盛り上がると予想します。デジタル化は単なるチャネルのデジタル化にとどまらず、経済のデジタル化まで進んでいくはずです。投資資産運用、通貨決済システム、”価値”が関わる業務のデジタル化(民間のみならず行政も)が加速していくので、LayerXは変わらず、この変化に必要とされるプロダクトの提供・R&Dを行っていきたいと思っています。
SHE代表取締役CEO 福田恵里氏
- 2020年の振り返り
2020年はコロナ禍によって、より人材の流動性が加速した年でした。終身雇用の崩壊や転職率の上昇は言われて久しいですが、ANAなど大企業の副業解禁も相まって、いよいよ企業組織への帰属意識の低下は免れられないものになってきたと感じます。多くの企業が人材開発費を抑え、労働者自らがスキルや知識の装着を求められる流れの中で、今年盛り上がったのは社会人の学び直し、いわゆるリカレント教育市場だと思います。