アルミニウム製のデスクトップスタンドの奥行きは14.7cm。重心のバランスが良く、本体のパネルをしっかりと支える安定感が頼もしい。ジョイント部分を動かせばディスプレイの角度調整ができる。

本体の質量は約4.4kg。前機種の21.5インチ Retinaディスプレイを搭載するiMacよりも、さらにサイズアップした24インチの4.5K Retinaディスプレイとしながら、本体部分の縦横サイズはほとんど変わらない。ディスプレイ周辺のベゼル(額縁)をスリムにしたことでスマートなルックスに仕上がっている。

背面は濃厚なグリーン。金属の光沢感と相まってとても華やかな雰囲気だ
背面は濃厚なグリーン。金属の光沢感と相まってとても華やかな雰囲気だ

4.5K Retinaの緻密な映像再現

また、4.5K Retinaディスプレイの精細感と自然な映像の色バランス、明るさはどれをとっても心地よい。今や高画質を楽しめる動画やゲームなどのコンテンツは豊富にある。アップルも定額制ゲーム配信プラットフォーム「Apple Arcade」で4Kの高精細なグラフィックスを作り込んだゲームタイトル『ファンタジアン』を配信しているし、Apple TVアプリからは4K画質の映画やドラマも視聴できる。

ただ、あえて注文を付けるとすれば、ベゼルの色をホワイトとしたことでSF映画やシリアスなドラマなど暗い映像が多用される映画・ドラマなど映像作品の没入感がやや損なわれるように感じた。27インチの5K Retinaディスプレイを搭載するiMacのようにブラックのベゼルをオプションとして選ぶことができれば文句はないのだが……。

24インチのディスプレイは大きく広いので、ZoomやMicrosoft Teamsなどビデオ会議サービスを立ち上げながらテキストエディタでメモをとったり、ウェブブラウザを開いて情報を検索したり、とマルチタスキングにも効果を発揮する。

ノートPCと外部モニターを組み合わせて構築したデュアルディスプレイ環境を、画面の大きなiMacにまとめてしまえば、さまざまな作業が一段と楽になりそうだ。

ディスプレイ周囲のベゼルの幅を狭くしたことで、21.5インチの4K Retinaディスプレイを搭載するiMacとほぼ同じ縦横サイズとしている
ディスプレイ周囲のベゼルの幅を狭くしたことで、21.5インチの4K Retinaディスプレイを搭載するiMacとほぼ同じ縦横サイズとしている

迫力のオーディオ、リスニングを邪魔しない静かな冷却システム

合計6基のスピーカーユニットによって構成されるオーディオシステムは、スリムな本体のボトム側に内蔵されている。Apple M1チップが駆動時の電力効率に優れているため、ロジックボードの左右に小型の空冷ファンを配置するだけで内部の放熱を手際よくこなせるという。

電力効率の良いSoC、Apple M1チップの搭載によりロジックボードと空冷ファンの小型化を実現した 提供画像:アップル
電力効率の良いSoC、Apple M1チップの搭載によりロジックボードと空冷ファンの小型化を実現した 提供画像:アップル

Apple M1チップにより効率化できた内部スペースをオーディオシステムに割いたことにより、クリアでパワフルなサウンドを鳴らし切る。

特にApple TVアプリから、音声トラックをドルビーアトモスで記録した映画やドラマを再生すると息をのむほどリアルなサラウンド音声による没入感が味わえる。新しいiMacがあれば自宅でリッチなパーソナルシアターが満喫できるだろう。大きな音が出しづらい夜間はAirPodsやAirPods Pro、AirPods Maxを上手に併用したい。