鋭いですね(笑)。どのサービスも、登録はかなり早い段階でしていますが、ソーシャルでバンバン発言するタイプではなかったです。

──では、SNSプラットフォームのリンクトイン・ジャパン(以下、リンクトイン)代表になることを決めたのは、SNSへのこだわりというよりは、「LinkedIn」という仕組みが面白いと思ったからですか。

理由は2つあります。1つは、リンクトインのビジョン「世界で働くすべての人に対して経済的な機会をつくり出す」が、圧倒的に正しいなと思ったことです。ちょうど働き方改革もあり、ビジネスのマクロの現状から考えて、日本で「これからくるだろう」とすごくときめいたんですよね。

2つ目は、すごく個人的な理由です。僕はユーザーとしてSNSやインターネットが好きなんですが、SNSのサービスをつくることには強いコンプレックスを持っていたんですよ。

というのも、昔(ヤフー在籍時代)、「LINE」に対抗するメッセンジャーアプリとして、日本に「カカオトーク」を導入しようと大々的にやっていたことがありまして。結果、LINEに惨敗してしまったんです。僕の中ではすごいしこりが残っていて。経営者としてSNSで成功したいっていう個人的な思いがありました。

ヤフー在籍時代の村上氏
ヤフー在籍時代の村上氏

会社のためだけでなく、セルフブランディングとしてのSNS発信 

 

──SNSに本気で向きあいはじめたのはカカオトークに関わっていた2012年ころからなんですね。では、ご自身がビジネスでSNSを盛んに活用するようになったのは、いつ頃からでしょうか。特に力を入れているプラットフォームがあったら教えてください。

 

米国本社にて、リンクトイン・ジャパン入社当日の村上氏
リンクトイン・ジャパン入社当日、米国本社にて

SNSでの発信を真面目に考え出したのは、リンクトインに入った2017年ころからです。ちょうど「日経COMEMO」や「NewsPicks」から定期的な記事執筆のオファーをいただいたタイミングでもありまして。自分で記事を書くなら、それを広めたいなと、Twitterで発信することにしました。

記事は個人として書いていますが、内容は「雇用・働き方・キャリア」についてが多いですし、自社にも良い影響があると思っています。それにセルフブランディング上もいいだろうと、発信を頑張りはじめました。

いまはLinkedInとTwitterを並行して、重点的に使っています。

オーディエンスを意識して発信する

──発信する際に、特に注意していることはありますか。

ビジネスでSNSを活用するようになってからは特に、場の空気感とオーディエンスを強く意識するようになりました。Facebookでは、僕が書いたことを読むのは、昔からつきあいがある人や一度会ったことがある人がほとんど。だから、多少ふざけた投稿をしても問題になることはほとんどありません。