鋭いですね(笑)。どのサービスも、登録はかなり早い段階でしていますが、ソーシャルでバンバン発言するタイプではなかったです。
──では、SNSプラットフォームのリンクトイン・ジャパン(以下、リンクトイン)代表になることを決めたのは、SNSへのこだわりというよりは、「LinkedIn」という仕組みが面白いと思ったからですか。
理由は2つあります。1つは、リンクトインのビジョン「世界で働くすべての人に対して経済的な機会をつくり出す」が、圧倒的に正しいなと思ったことです。ちょうど働き方改革もあり、ビジネスのマクロの現状から考えて、日本で「これからくるだろう」とすごくときめいたんですよね。
2つ目は、すごく個人的な理由です。僕はユーザーとしてSNSやインターネットが好きなんですが、SNSのサービスをつくることには強いコンプレックスを持っていたんですよ。
というのも、昔(ヤフー在籍時代)、「LINE」に対抗するメッセンジャーアプリとして、日本に「カカオトーク」を導入しようと大々的にやっていたことがありまして。結果、LINEに惨敗してしまったんです。僕の中ではすごいしこりが残っていて。経営者としてSNSで成功したいっていう個人的な思いがありました。
![ヤフー在籍時代の村上氏](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/6/8/-/img_6862bc08d7c52b7b7cff2f9ac15b435f166353.jpg)
会社のためだけでなく、セルフブランディングとしてのSNS発信
──SNSに本気で向きあいはじめたのはカカオトークに関わっていた2012年ころからなんですね。では、ご自身がビジネスでSNSを盛んに活用するようになったのは、いつ頃からでしょうか。特に力を入れているプラットフォームがあったら教えてください。
![米国本社にて、リンクトイン・ジャパン入社当日の村上氏](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/-/img_de02093241aacb9fb86833a51e161c34449350.jpg)
SNSでの発信を真面目に考え出したのは、リンクトインに入った2017年ころからです。ちょうど「日経COMEMO」や「NewsPicks」から定期的な記事執筆のオファーをいただいたタイミングでもありまして。自分で記事を書くなら、それを広めたいなと、Twitterで発信することにしました。
記事は個人として書いていますが、内容は「雇用・働き方・キャリア」についてが多いですし、自社にも良い影響があると思っています。それにセルフブランディング上もいいだろうと、発信を頑張りはじめました。
いまはLinkedInとTwitterを並行して、重点的に使っています。
オーディエンスを意識して発信する
──発信する際に、特に注意していることはありますか。
ビジネスでSNSを活用するようになってからは特に、場の空気感とオーディエンスを強く意識するようになりました。Facebookでは、僕が書いたことを読むのは、昔からつきあいがある人や一度会ったことがある人がほとんど。だから、多少ふざけた投稿をしても問題になることはほとんどありません。