“エンジニアが他社の先輩エンジニアに話を聞く”といったように同じ職種同士の人が情報交換やキャリア相談の用途で使ったり、“採用人事とオンライン麻雀をする”といったように共通の趣味を持つ人が交流する目的で使ったりする例もある。

つまり、コロナ禍でオフラインでの開催が難しくなった「ミートアップ(交流会)」の代替手段としてもMeetyが活用されているわけだ。

Meetyの6つの特徴
 

サービスのローンチは1年前の2020年10月だが、一気に成長軌道に乗ったのは2021年8月半ばから。それ以来は1日数百人ペースで新規登録者が増え、新たに公開されるコンテンツの数も1日100件を超える。 申し込み数、マッチング数は7月以前と比較すると10倍程度の数字が出ているという。

現在はメルカリやLayerX、Ubieなどメガベンチャーから創業間もないスタートアップまでユーザーが広がっている。メンバーの投稿を合計すると100個以上のコンテンツを公開している企業も存在するほどだ。

ローンチから1年近くが経過したタイミングでなぜユーザーが急増したのか。開発元のMeetyで代表取締役を務める中村拓哉氏にその背景を聞いた。

あるCTOのコンテンツに1日で約50件の応募が殺到

Meetyが注目を集めるようになったきっかけは、あるユーザーが作成した1つのコンテンツだった。投稿の主はLayerXの代表取締役CTOである松本勇気氏。タイトルは「CTO/Tech Lead/PdM/EMの方や目指している方と壁打ち」だ。

LayerX松本氏の公開したMeetyのコンテンツ
 

松本氏はGunosyのCTO、DMM.comのCTOを経てLayerXのCTOに就任した人物。Twitterのフォロワー数は1.7万人を超えるなど、IT業界への影響力も大きい。その松本氏にカジュアルに相談ができる機会ということで多くのエンジニアの目を引き、公開当日だけで50人近くの応募者が殺到した。

この事例が象徴するように、Meetyの大きな特徴は「圧倒的な応募ハードルの低さ」にあると中村氏はいう。

応募するのに必要なのはログインして「気になる」ボタンを押すことだけだ。任意でテキストを入力することもできるが、ボタンを押すだけで応募が完了。募集する側が承認した場合にはマッチングが成立し、日程調整などを進める。

Meetyでは応募段階ですでにトークテーマと面談相手が開示されているため、「当日まで誰と話すのかがわからない」「カジュアル面談だと聞かされて行ったら実際は面接だった」といった不安やストレスとも無縁だ。トークテーマについても、文字通りカジュアルなものも含めて幅が広い。