そもそもMeety自体が「オフラインの採用ミートアップを管理するサービス」として始まり、コロナ禍の影響を受けて現在のかたちへとピボットした背景がある。実際に一部ではMeetyが“コロナ禍で激減したミートアップの受け皿”としての役割を果たしており、“ビジネスマッチングサービス”のような用途でも利用されている。

「応募ハードルの低さ」などが評価されているのではないか

松本氏のコンテンツもその代表例と言えるが、従来はミートアップで生まれていたつながりや相談の機会をMeetyで作るユーザーも多く「採用以外の用途で使われることも増えてきた」(中村氏)という。

「採用のためだけのサービスとなると遊びもなくて新しくないので、採用目的以外での使われ方が広がっているのは良い傾向だと思っています。一方で『Meetyであわよくば採用できるかもしれない』というのがあるから、続けやすい部分もある。完全に雑談サービスだと何のペインも解決しないけれど、『採用につながると良いな』という思惑が(ユーザーに)あるので、それが上手く効いているのではないかと考えています」(中村氏)

今のところMeetyの機能はかなりシンプルで、同じようなことはTwitterのDM機能やGoogleフォームなどを使ってもできないわけではない。ましてや現在のMeetyはサービス自体に強力な集客力があるわけではなく、募集を作ったユーザーが自身のSNSを通じて集客している状況だ。

それでも同サービスが使われているのは、コロナのようなマクロ的な背景に加えて「サービスのコンセプトや(募集や応募ハードルの低さなどといった)UXを評価してもらえているからではないか」というのが中村氏の見解だ。

作成されたコンテンツが新たなユーザーを連れてくる引き金に

松本氏を筆頭にIT界隈で影響力のある人物が徐々にMeetyに集まり始めたタイミングで、この勢いを加速させるべく中村氏たちは「ウラ凸」と呼ぶ企画を始めた。

これは簡単に言えばMeety上に開設される「会社ページ」のようなもの。企業ごとの特集ページが用意され、そこに各社のメンバーが作ったコンテンツを集約する。

ウラ凸企画のイメージ。画像はLayerXのもの
ウラ凸企画のイメージ。画像はLayerXのもの

この企画に合わせて各社がだいたい5〜30個ほどのコンテンツを作成し、メンバーがSNSで一斉にシェアをするため、Meetyの投稿がタイムラインで目に留まりやすい。

数ある投稿のすべてが会社のアカウントで作成されていると、SNSで投稿を見ているユーザーはうっとおしく感じることもあるだろう。だが、あくまで各メンバーごとのコンテンツとして作成されているため、そういった心配もない。