画像提供:ぴんぴんころり
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「マッチングしたら終わり」ではないサポートで“お母さん“のオンボーディングを支援

家事代行やベビーシッターなどのマッチングサービスを利用する際に気になるのが、どんな人材が登録者しているかということだ。サービスのグロースを優先して間口を広げ過ぎた結果、問題が起きるリスクも生じる。もちろんサービスの急拡大だけで説明できるわけではないが、例えばベビーシッターマッチングサービスの「キッズライン」などではわいせつ容疑で逮捕者が出ており、最近ではシッターによる「赤ちゃん揺さぶり」動画が波紋を呼んだ。

その点について、東京かあさんは登録を希望する人は全員面接を行うほか、「最初はお互いの相性を確かめることが重要」(小日向氏)と言い、初回は必ず東京かあさんのスタッフが現場に同行し、カウンセリングや無料体験をサポートする。

「またマッチングしたら終わりではなく、2カ月ぐらいはLINEのやり取りを見て、コミュニケーションに齟齬がないか、スケジュール調整はうまくいっているかチェックしています。こういう育児・家事支援の仕事はお互い最初が大変なんです。忙しい中、その家の家事のルールを教えないといけないし、“お母さん”たちは質問しづらかったりする。それを“山”と呼んでいて、2〜3カ月経って山登りを終えると、すごく楽しくなってくるみたいなんです。だからこそ、山登りできるように手厚くオンボーディングを行っています」(小日向氏)

東京かあさんの料金プランは、月額1万3200円のミニマムコース(訪問回数上限2回、合計時間5時間)、月額2万4200円のレギュラーコース(訪問回数上限4回、合計時間10時間)、月額5万2800円のボリュームコース(訪問回数上限8回、合計時間24時間)、月額7万9200円のデラックスプラン(訪問回数上限12回、合計時間36時間)の4つが用意されている。これに加えて、訪問費として1回ごとに700円がかかる(すべて税込)。

なお、“かあさん“側からは50%サービス手数料を取得する。家事代行サービスやベビーシッターサービスの手数料に関しては各社、割合は異なるが、いわゆる“派遣型“は時給制、月給制だが工数がかかるため実質的な手数料は高め(70%ほど)に設定することが多い。一方でワーカーと利用者をつなげるだけの“マッチング型“は工数がかからないため、低め(10〜30%ほど)に設定することが多い。東京かあさんは両者の中間の価格帯を設定した。

「オンボーディングの部分で初期投資にコストがかかるため、スポット利用ではなく、月額単位での利用が前提になっています。最初は私たちが赤字を掘ることになるのですが、どんどん使い続けてもらったらきちんと投資コストを回収できる仕組みです。全員がミニマムコースを使い続けると正直大変なのですが、ミニマムコースから入ってもらい、レギュラーコース、ボリュームコースといったプランにアップセルしていければと思います」(小日向氏)