それが「軟口蓋(ソフトパレット)」です。軟口蓋とは、喉の奥のほうにある、舌の届かないやわらかい部分。声の音色をつくる、鍵となる部分です。軟口蓋は筋肉です。緊張すると筋肉は硬直しますが、当然、軟口蓋も硬直して声が出にくくなり、硬い声になるというわけです。
硬直した「声の波形」をとると、とても偏っています。波形が偏り硬直した声を聞くと、聞く方も緊張してしまい、疲れてしまいます。軟口蓋がやわらかくリラックスしていると、人の心の奥深くまで届き、やさしく包まれるような声になります。
聴き比べるとわかりますが、軟口蓋を丸くした声で「○○さん、これやっといてくれますか」というのと、きつい声で「○○さん、これやっといてくれますか」と言うのでは、全然印象が違います。
従来のヴォイストレーニングでは、いい声で話したり歌ったりするために、「もっと声を張り上げて」「もっと地声から上のほうまで引き上げて」などといわれます。
でも、それでは緊張した硬い声を相手にぶつけているだけ。このように前に押し出した声は、専門用語で「フォワード・プロダクション」といって、聞く者に威圧感や恐怖を与えてしまいます。
営業マンの元気のいいプレゼンや売り込みでは、買いたくなりませんし、セミナー講師の「はい、みなさんこんにちはー!」みたいなカラ元気は、緊張させるだけなのです。
今、求められている声は、聞き手を疲れさせる声よりもずっと聞いていたい声、聞き手の心に響く声なのです。
声を変えたら、売り上げが1117倍にアップ!
カリスマ経営者や優秀なリーダーと呼ばれるような方たちの声の波形には、共通点があります。それは、フルサウンドヴォイスであること。声をフーリエ変換(音を周波数別に分けること)できる音声分析ソフト(声診断ソフト)を使って声に含まれる音階を12色の波形グラフで表すと、12色全色がきれいに出そろうのです。
そのフルサウンドヴォイスになったら、売り上げがなんと1117倍にアップしたという50代営業職男性Aさんの奇跡のような実例をご紹介しましょう。