当時、大手の外資系企業に勤めていたAさんの声の波形を見ると、ネイビー(論理力、分析力)の音が強く出ていました。その波形はビジネスパーソンにとって“戦う波形”。頭脳戦で戦略的に営業をする、お客様と飲みに行き仲よくなって仕事を取る、完璧なプレゼン資料で勝負する――Aさんのそれまでの戦い方を見事に表していました。

 逆に、Aさんに特に足りないのはマゼンタ(愛、受容)とグリーン(共感)とライムグリーン(自己肯定感)でした。つまり、足りないのは自分を受容することや、自己肯定感、ライバルと戦わないで和合することだったのです。

「ビジネスパーソンに和合なんて必要があるのか?」Aさんは疑問を抱きつつも、足りない色の課題と“トーニング発声法”と呼ばれる声の出し方を実践し、声が少しずつ変わってきました。

 そんなある日、GAFA企業からヘッドハンティングの話がきました。ヘッドハンティングと言っても、100人に1人しか採用されない狭き門です。そして、見事に難関を突破し、GAFA企業への転職に成功したのです。

 その後、1年かけてフルサウンドヴォイスになり、いまや会社での営業成績は全世界のトップクラス、売り上げは1117倍に!

 声のおかげで営業の方法も変わりました。前職ではパワポを駆使して完璧なプレゼンをしても伸びなかった売り上げが、オンラインの営業であるにもかかわらず、お客様の話をよく聞き、少し話すだけでお客様のほうから契約の申し出をされるようになったのです。

 フルサウンドヴォイスのおかげで、Aさんは営業をしなくても、もっといえばほとんど声を発しなくても、売り上げが伸びてしまう、世界トップクラスの営業ができるビジネスパーソンへと変身を遂げました。