6「より多くの筋肉をつけるために必要なのは、タンパク質」
「私たちの身体はゼロからタンパク質をつくり出すことはできないので、食事から摂る必要があります。筋肉をつくるために、タンパク質の摂取は欠かせません」と話すのは、栄養士のシネイド・ロバーツさん。
ですが、筋肉を育てる成分はタンパク質だけではありません。「筋肉を育てるプロセスは、『mTORC1』と呼ばれる分子によって制御されており、これは筋力トレーニングによってスイッチが入ります。ですが、スイッチを入れ続けるにはエネルギー、すなわちカロリーも必要なのです」
つまり、赤身の肉と葉物野菜だけの節制した食事では不十分ということ。タンパク質だけでなく、幅広くいろいろなものを十分に摂取することが求められるのです。
ロバーツさんは、「研究では、卵白のような“シンプル”なタンパク質の食材と、脂質や微量栄養素も含む全卵のような“より複雑”な食材を比較しました。その結果、いくつかのホールフードは筋タンパク質合成をサポートするうえで、より効果的である可能性が示されました」と言います。自分に合うものをぜひ探してみてください。
7「さらに、トレーニング直後にはタンパク質が必要」
消化器系はあなたが思っている以上にスマートに役割を果たし、筋肉に必要とされるときのためにアミノ酸を吸収して貯蔵しておくことが可能となっているそうです。
『Journal of the International Society of Sports Nutrition』によると、「運動前後の食事は、成長を妨げない程度に4時間ほどの間隔を空けてもいい」とのこと。「身体がカタボリック状態(体内の筋肉や脂肪が分解されエネルギーとして使われる状態)に入るには、数時間かかります」と、ファムティミさんは説明しています。
8「高GIの炭水化物は食べるべきではない」
グリセミック・インデックス(GI)は、食品が血糖値に与える影響を示す指標ですが、炭水化物にタンパク質、脂質、食物繊維を組み合わせると、血糖値の反応は弱まります。例えば、イギリス名物「ジャケットポテト(ベイクドポテト)」はGI値が高い料理ですが、ここにスプーン1杯のツナマヨと少しのアボカドを合わせるとGI値は下がるとのこと。
「実際、状況によっては、高GIの炭水化物は有益でさえあります」と述べるのは、栄養士のスティーブ・グラントさん。「特に、トレーニング後にグリコーゲンを補給したいときには助けになります」
また、反応には個人差もあるようです。「私たちの腸内細菌叢は、食品のGI値に影響を与えることが示されています。反応は人により異なるので、『高GIの炭水化物は食べるべきではない』とひと言で片づけてしまうのはよくないと思われます」と、グラントさんは付け足して言います。