9「スーパーフードは代謝をスーパーチャージしてくれる」
「スーパーチャージ(過給)」と「サポート」には、決定的な違いがあります。ビタミンB群や特定のミネラルを含む微量栄養素は、健康的な代謝機能をサポートしてくれます。ですが、ひとつまみのチリパウダーやスプーン1杯のりんご酢を加えただけでは、カロリーの燃焼には役立ちません。せいぜい血糖値バランスと、満腹感を助けてくれる程度ということ。
「“ワークアウトの前にスプーン1杯のココナッツオイルを摂取すれば、脂肪がより多く燃焼する”と考えられていた時代もありました」とファムティミさん。実はこれもまやかしで、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸(MCT)は、他のタイプの脂肪と比較して、脂肪の酸化を改善すると思われがちです。が、メリットとしてはごくわずか…。スプーン1杯だけでは、ほとんど影響しないそうです。
10「砂糖/乳製品/小麦/カフェインを断つことで、デトックスが促進される」
一体、「何」からのデトックスなのでしょうか?
2009年、独立研究機関Examineが“デトックス”を謳(うた)う10の企業を調査したところ、どの企業も排除される毒素の名前を挙げることができなかったそうです。それから10年以上が経った今でも、その状況は改善されていないそうです。
「『デトックス』という言葉は、かなり使い古されています。私たちがこれまで以上に多くの毒素にさらされていることに異論はありませんが、砂糖や乳製品などを断つことを『デトックス』とみなすことはできません」と、グラントさんは言います。
消化の問題の原因となり得る食品(上で述べてきた食品も含まれる可能性はありますが、必ずしもそうとは限りません)を避けることは、体内のデトックスプロセスをサポートすることにはなります。
が、グラントさんによると「カロリー不足だと毒素が脂肪細胞に蓄積される可能性があるため、毒物暴露が増えるリスクもあります」とのこと。その代わりに、栄養価の高いホールフードと消化を促す食物繊維の摂取量を増やし、さらにジムのルーティンの中にときどき、サウナを加えることを彼は推奨しています。
11「良いものはどれだけ摂取してもOKである」
栄養の“境地”に到達することを期待して、合成ビタミンをたくさん胃に流し込んでも効果は期待できないとも言います。
「その多くは『ホルミシス』現象(高濃度あるいは大量に用いられると有害となるが、低濃度あるいは微量に用いられると有益な作用をもたらすこと)であり、ある時点までは有益と言えます。つまり、リミットを超えて摂取すると逆効果になるということです」と、ロバーツさんは述べます。
例えばビタミンC。許容上限量は1日2000ミリグラムですが、これを超えて摂取すると、吐き気や睡眠障害などの副作用が現れる可能性が高まるそうです。サプリメントのラベルをよく確認し、不足が心配なときは補給する前に血液検査を受けるといいでしょう。