エクササイズの時間がやや長くなったのと、隣りにいる娘に気兼ねすることなく拳を震えるようになっただけの違いだが、それだけでゲームの様相が一変し、運動不足の中年にはハードなトレーニングとなった。下半身をガクつかせ、汗を振り散らしながらその日の30分のエクササイズを終えたあとはしばらくぐったりしていたが、やりきった爽快感が全身を包んでいた。そして試しに肩の様子をチェックしてみると、四十肩によって極端に狭められていた可動域があからさまに広がっていることに気づいたのであった。

つらくてもやり通せる数々の仕掛け
 『フィットボクシング2』のよかった点

 『フィットボクシング2』が及ぼす四十肩への影響について、世間の評判を調査してみたところ、「本当に効果がある」と話している人が多い。中には、四十肩のリハビリを数年来続けてきていた人が『フィットボクシング2』をやったら途端に格段に良くなった、といった話もあった。

 一方、割合は少なくなるが「フィットボクシングによって四十肩が悪化した」と語る人もいた。

 まず、以下が『フィットボクシング2』について感じた良い点である。

●単純に楽しい。パンチでリズムに合わせてパネルを撃ち抜く爽快感と、メニューが少しずつ解禁されていく成長要素、自分の評価を眺められる点はモチベの維持につながる。

●数名いるインストラクターの声優が非常に豪華である。筆者が選んでいたインストラクターはやけに渋くていい声だと思っていたら、それがダンディーの権化・大塚明夫であるとのちに知った。あの声で「リズムを作るぞ。トン、トン、トン、トン」と話しかけられたら、喜んでトントンリズムを作りたくなる。

●エクササイズ中に選べる曲が多く、有名曲も多数ある。欲を言えばボーカル入りの曲を増やしてほしかった。なお、追加コンテンツを購入すれば曲は増やせる模様。

●エクササイズがつらくても、残り時間が画面に表示されるので、自分を鼓舞しながら頑張れる。