写真:アップル「アップストア」とグーグル「プレイストア」Photo:samxmeg/gettyimages

アップルとグーグルが提供するアプリストアを巡って、市場の独占度や手数料の高さなどの論点から規制をかけようという議論が進んでいる。しかし、その最終報告書に対して反論が殺到し、炎上している。(イトモス研究所所長 小倉健一)

アプリストア規制のパブコメに
批判・反論が殺到

 米国のIT大手であるアップルとグーグルのアプリストアを巡って、政府(内閣官房デジタル市場競争本部)が、欧州で行われた規制をまるまるパクった形で、日本の市場においても同様の規制をかけようとしている。簡単にいえば「アップルとグーグルがアプリ市場を独占しており、なおかつ手数料が高額だ。この状況は、消費者にとって非常に不利益なので、これをやめさせるための規制」ということである。

 この規制をかけることを前提に同本部がまとめたのが「モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告」(2023年6月16日公表)であり、この報告について国民から広く意見(パブリックコメント、パブコメ)を募集した。このパブコメであるが、559件もの意見が集まり、その多くが「この規制は不適切」という趣旨だったことから、「炎上している」として大きな話題を呼んでいる。

 石川温氏の記事『iPhoneの「App Store」に規制は必要か、パブリックコメントから見える懸念点』(ケータイWatch、10月25日)によると、「500以上のコメントが寄せられている中、当事者であるアップルとグーグルの意見、さらに黒く塗りつぶされて公表された意見を除く549件を分析すると、賛成が7%、中立が5%なのに対して、反対が88%と9割近くを占めていることになる」という状況だ。