試験における「守り」と「攻め」
守りと攻めについて、もっと詳しくみていきましょう。まず守りは、どんなに問題が難しくなっていても、傾向が変化していたとしても、「ここだけは点を取る!」という「点を死守する問題」です。これが多ければ多いほど合格が近づきますし、少なければ少ないほど不合格になりやすいです。
逆に攻めの問題は、「自分には難しい」と思ってしまう問題を選ぶべきです。難しい、と言ってもいろんな難しさがあります。
例えば難易度としての難しさはもちろんあるのですが、時間内に解くのが難しい問題というのもあります。「解こうと思ったら解けなくはないんだけど、時間かかっちゃうんだよなぁ」という問題もたまにあります。
長くて全部読みきれない長文の問題など、いろいろな試験で頻出ですね。そういう問題に関しては「解けないもの」「解く優先順位が低いもの」と捉えてしまってもいいのではないかと思います。
重要なのは、「問題が解けること」ではなくて「合格できること」です。極論、1問正解しても他の3問が不正解になるのなら、そんな問題は解く価値がないのです。
「死守」で点が稼げているのならば、「攻め」で点を稼ぐ必要は全くないんですよね。
余談ですが、東大の英語入試問題にも、多くの学生にとって「攻め」でしかない問題があります。第4問A問題は文法の問題なのですが、めちゃくちゃ難しくて、多くの人が「捨て問」だと言っています。
試験において、捨ててもいい問題というのはたしかに存在していて、その問題で時間を取られている受験者をぶった斬るわけです。そういう、トラップのような難しい問題に対応するためにも、合格戦略を立てる必要があるわけですね。
みなさんは英語の試験を突破するのが目的なのであって、英語が喋れるようになるのが目的ではありませんよね。試験勉強の目的というのは、合格でしかありません。
もっと言えば、その目的のためになっていないことは試験勉強ではなく、その目的のための行為ならそれは試験勉強なのです。そう考えたときに、合格戦略を立てることは、優先順位の高い「試験勉強」だと言えます。
みなさんしっかりとこの点を心に留めておいてください。
さて、この「攻め」と「守り」を、先ほど解いた過去問と照らし合わせて考えていきましょう。
過去問を解いてみて、みなさんは、いかがでしたか? 解けた問題や、もう少し頑張れば解けそうな問題は「守り」になりますね。
逆に、解けなかった問題や、頑張っても解けそうにない問題は「攻め」になるはずです。
「どちらとも言えない」みたいな問題もあるかもしれませんが、一旦は「どちらかと言えば」で考えていきましょう。