合格戦略とは何か

 さて、それでは具体的にお話ししていきましょう。試験における「戦略」とはなんなのか。

 それは、「どうやって合格点を取るか」ということに他なりません。

 例えば、英検2級の一次試験の満点は1950点です。このうち、1520点を取れば、合格となります。では、この1520点を、どうやって取るのかを考える必要がありますよね。これが戦略です。

「ライティングの問題で満点を取ろう!」とか「リーディングの問題は苦手だから半分くらい点数が取れたらいいな」といった具合に、点数を計算して、「どの問題で何点取れば合格点に達するのか」を考えておくわけです。

 これは、非常に重要な行為です。

 戦略を立てて、どの問題で得点すれば合格になるかをきちんと把握しておくことで、自分がどこで得点しなければならないのか、また逆にどこで点を落としてもいいのか、そういうことがわかった上で戦うことができます。試験において、これほど心強いものはありません。

 さらに、この戦略に応じて、勉強の内容を変えていくことができます。

 例えば、英検2級の1次試験ではライティングの点数が 16点満点になります。そしてこれが、650点に換算されます。たとえば15点だったら610点に、14点だったら570点に、といった具合で点数が650点満点に換算されるのです。

 これに対して、リスニングは30点満点で、これが650点に換算されます。29点だったら630点に、28点だったら610点に、という感じで計算されていくわけですね。

 これにリーディングの650点分を足して、1950点満点で 1520点を取れば合格となるわけです。リスニングに比べて、ライティングの方が、点数の比重が大きいのが分かるでしょう。

 ミスしたら一気に点数が減ってしまうわけです。リスニングで1問間違っても20点しか減らないのに、ライティングで一つミスをすると40点も減ってしまうわけです。

 ではこのとき、みなさんだったらどんな対策をしていきますか? おそらくは、「じゃあライティングで点数を落とさないような勉強をしなきゃ」と思いますよね。「リスニングに時間を割くよりも、ライティングに時間を割いた方がいいかもしれない」と考えるでしょう。

 ちなみにこの考え方は合っています。英検を始めとする多くの試験において、ライティングを重視して勉強することは試験の合格率を上げてくれます。

 他の分野に比べて攻略難易度が低く、逆に点数の比重が大きいため、ミスをせずに点数を取れるようになると大きな武器になるからです。