東京メトロの民営化から
4月1日で20年

 2024年度が始まる4月1日は、東京メトロの民営化から20年となる。筆者の入社時は民営化直後だったことを考えると「もう20年か」と感慨もひとしおだ。この間、副都心線の開業やバリアフリー施設の整備などの変化もあったが、一方で当時「目前」とされた株式上場はいまだに実現せず、関連事業の拡大も思うように進んでいない。

 ただ副都心線で終了するはずだった新線建設が再び動き出し、バーターで東京都が東京メトロ株の売却に同意するなど、これから2030年代に向けて大きな変化を迎えそうだ。コロナ禍の深刻なダメージは回復しつつあるとはいえ、通勤・業務利用中心の東京メトロは完全には戻らないだろう。鉄道事業を支える「第二の柱」の必要性はますます高まっており、今後のかじ取りを注視したい。