東海道新幹線は
10月1日に開業60周年

 日付が飛んで、9月17日は東京モノレール、10月1日は東海道新幹線の開業60周年の記念日だ。1964年の東京オリンピックに向けて突貫工事で建設され、開会直前に開業した両路線は還暦を迎えてなお、重要な役割を果たしている。

 また日付が前後するが、9月26日は青函連絡船「洞爺丸」が台風のため函館湾で沈没した洞爺丸事故から70年だ。乗員乗客1000人以上が死亡する大惨事となり、本州と北海道を結ぶ青函トンネル構想が具体化するきっかけとなった。

 2030年度の開業を目指す北海道新幹線新函館北斗~札幌間は、ある意味で青函トンネルの到達地点であるが、トンネル工事の遅れで開業延期が避けられないとの報道もある。お題目として使われていた冬季札幌オリンピックが招致断念に追い込まれ、急ぐ名目もなくなったことで、今年中には正式に延期の発表があるかもしれない。

 トンネルつながりで言うと、12月1日は東海道本線熱海~函南間の丹那トンネル開通から90年だ。丹那トンネルが開業するまで東海道本線は現在の御殿場線を経由していたが、山間部を縫い、急勾配が続く御殿場線では、増え続ける輸送需要に対応できなくなっていた。そこで伊豆半島の付け根、丹那盆地を貫くトンネル建設が決定し、1918年から16年の月日を費やして開通した。

 トンネル掘削は水との戦いだった。トンネルと並行して水抜き用のトンネルを掘り、芦ノ湖3杯分ともされる大量の地下水を抜いて対処したが、この影響で地上の丹那盆地は水源が枯れ、農業に壊滅的打撃を与えてしまった。静岡県が水資源に敏感なのは、この前例があるからとされる。