謹賀新年。2024年の到来である。まだまだ先のことと思っていた新線開業や新サービス開始が迫ってくると、時の流れの速さを感じるものだ。鉄道にとって今年はどんな一年になるのか、筆者の思い出なども交えつつ、カレンダー順に見ていこう。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
3月16日のダイヤ改正
目玉は北陸新幹線金沢~敦賀間の開業
まずは何といっても、3月16日のダイヤ改正だ。目玉は工事の遅れで開業が1年延期された北陸新幹線金沢~敦賀間の開業だ。東京~福井間の所要時間は36分短縮の最短2時間51分で3時間切りを達成。地元は首都圏からの観光客流入に期待を寄せる。
一方、大阪側は特急「サンダーバード」「しらさぎ」の運行区間が短縮され、敦賀駅で区間列車「つるぎ」に乗り換える運行形態になる。大阪~富山間は最大29分の短縮になるが、福井は乗り換えが必要になる上、時短効果はわずか3分。さらにJR北陸本線が並行在来線として経営分離されることに不安の声がある。
ただ公共交通の維持、利便性向上に積極的な福井県だけに、新会社「ハピラインふくい」の運行計画は意欲的だ。運行本数は1日当たり29本増便し、日中はおおむね毎時一定の時刻で運行するパターンダイヤを導入する。
また、特急の通過待ちがなくなるため、普通列車の所要時間は大幅に短縮。さらに敦賀~福井間に所要時間約40分の快速列車を9本新設する。同区間は現在、特急「サンダーバード」が35分程度で走破していることを考えると、かなり攻めたダイヤである。地域密着の経営姿勢が地元にどう受け入れられるか注目だ。