「バルト海の真珠」首都リーガの
美しい旧市街を散策
世界文化遺産にも登録されている首都リーガの旧市街。ちなみに日本語ではよく「リガ」と表記されていますが、ラトビア語での正しい発音は「リーガ」。旧市街には、中世の城砦の名残やアール・ヌーヴォー建築群があり、その美しさは「バルト海の真珠」と讃えられています。
リーガを一望できるスポットとして人気なのが、聖ペテロ教会の展望台。高さ123メートルの尖塔の下にある展望台に、エレベーターで上がることができます。眼下には旧市街と新市街、ダウガワ川が広がり、空から眺めるリーガの絶景と出会えます。
聖ペテロ教会のすぐ横には、姉妹都市ブレーメンから贈られた、「ブレーメンの音楽隊」のかわいい銅像が。一匹ずつ鼻に触れると願いごとが叶うというジンクスがあるそうです。
昔、リーガには「リーヅェネ川」という川が流れ、そのそばには同じ名前の漁村がありました。「リーヅェネ」とは、小さな女の子を呼ぶときの語尾がついた表現で、日本語でいうと「リーガちゃん」というようなニュアンスなのだそう。
そんな小さな漁村だった「リーガちゃん」は13世紀に大きく発展し、立派な石造りの街になりました。それに合わせて「リーヅェネ」という呼び名も卒業、きちんとした大人の女性に対するように「リーガ」と呼ばれるようになったということです。
リーヅェネ川は、ちょうどこのリーヴ人広場のあたりを流れていました。 リーヴ人広場は、かつてリーガに先住していたリーヴ人から取られた名前。広場の周辺には、美しい建物が並び、旧市街の中心となるエリアです。左の青い壁の建物は、「BLUE COW(青い牛)」という名前のレストラン。ラトビアの特産の青みがかった牛「ブルー・カウ」に由来しています。
リーヴ人広場を囲む建物の屋根の一つに、かわいらしい猫のオブジェが付いていて、面白い逸話が残っていました。かつてこの家には裕福なラトビア人商人が住んでいて、当時ドイツ人が中心だったギルドに加入したいと願っていたのだそうです。ところが、ドイツ系ではなかったため断られてしまい、怒った商人は腹いせに、自分の家の屋根に2匹の猫のオブジェを作り、すぐ近くの大ギルド会館の方にお尻を向けたのでした。
ギルド側は他国から視察団が来る度に、この猫のせいで大変恥ずかしい思いをしたため、猫の向きを変えてほしいと懇願。交換条件として、商人は悲願だったギルド入会が叶えられたそうです(諸説あります)。