退く一歩も新たな一歩
続いては、宗教と文化の専門新聞「中外日報」による「中外日報賞」。受賞作品は浄喜寺(福岡・行橋市)の「退く一歩」となりました。中外日報社からの講評は以下の通りです。
人生は山あり谷あり、時には石ころだらけのいばらや険しい岩壁に阻まれる。心を落ち着け、自分が今どこにいるのかを確かめる瞬間に気持ちが切り替わり、見えなかったものが見えてくる。退く一歩も新たな一歩、新たな前進となる。
人間は常に成功し、いつも前に進み続けるわけにはいきません。人生の中で立ち止まり、後ろに一歩退いたからこそ気付くことも数多くあります。社会の中で成功した人々の話を聞いていると、一歩退いた時(挫折をした時)こそが、その後の大きな成功を果たすためのカギになることが多いようです。
アップルを創設したスティーブ・ジョブズが良い例でしょう。ジョブズがアップルを追い出され絶望していた時、ピクサー・アニメーション・スタジオやNeXTを設立しました。その時の経験が、アップルに復帰してからの成功の強い原動力になったのです。
このように、大ピンチの時の行動が後のチャンスにつながることも人生ではよくあります。ですから、「退く一歩も悪くない」という価値観を心のどこかに保ち続けておきたいものです。