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海外に行くとなったら、多くの人が「こんにちは」の現地の言い方を調べて暗記を試みるだろう。しかし、世界各地を飛び回る言語学者は、それよりも先に身につけるべきフレーズがあると語る。海外で本当に役に立つ、意外な会話表現とは?※本稿は、研究者の大城道則、青木真兵、大山祐亮『古代文字を解読していたら、研究に取り憑かれた話』(ポプラ社)のうち、大山祐亮による執筆部分を抜粋・編集したものです。
言語学者の研究範囲は
偏りが生じがち
言語学者とは、言語を研究する人たちである。こう書くと、言語学者とは世界中の言語に詳しい人であると思ってしまう人がいるかもしれない。けれども、それは誤解である。
日本語の方言を研究するだけなら理屈上は日本語の知識だけで十分だし、英語学なら英語の知識があれば最低限は足りる。日本語の研究者でも外国語学習が趣味の人はたくさんいるが、言語学者だからといって多種多様な言語が話せるというわけではない。
しかし、世界には色々な言語がある。英語となんとなく感じが似ているフランス語のような言語もあれば、英語よりも日本語の方と構造的な共通点が多いタミル語のような言語もある。そして、日本語とも英語とも全く雰囲気が違う言語もたくさんある。
楔形文字で記されたシュメール語やアッカド語は日本語とも英語とも違った種類の難しさだし、ギリシア語・ラテン語やインドのサンスクリット語のように暗記力勝負を挑んでくるような言語もある。言語学を研究するなら言語の引き出しは多い方が良いというのはやはり事実だろう。
私の場合は比較言語学という、複数の言語を比較して「原初」の方向を追究する研究なので、多くの言語を勉強することは不可避である。







