自民党内の裏金疑惑によって、再び「政治とカネ」に対する国民の信頼は地に落ちた。どうすればこの問題を根絶することができるのだろうか?政治腐敗研究の分野で有名な論文の内容を基に考えてみたい。(イトモス研究所所長 小倉健一)
裏金疑惑がある安倍派9人が
「政治刷新本部」のメンバーに
自民党の最大派閥である安倍派を中心とする裏金問題が発覚し、岸田文雄首相は1月10日、再発防止に向けた新しい組織「政治刷新本部」を自民党内に発足させた。
5億円を超える裏金があるとされる事件で政権幹部を担った人物が次々と捜査を受けている事態において、12月上旬には炎上していた案件に対して、何を悠長なことをやっているのかと怒りを感じた国民も多いのではないだろうか。とりあえず早急に組織だけは立ち上げておいて、中身は後から考えればいいだろうに。岸田首相の支持率が低い理由も分かる気がする。
その上、政治刷新本部のメンバーの正当性にも早速、疑問の声が上がっている。メンバー38人の中で、疑惑の渦中にある安倍派が最多の10人を数え、しかもそのうち9人に裏金疑惑があるからだ。さらに、フランス・パリへの自称「研修旅行」で「エッフェル姉さん」とやゆされて大炎上した、松川るい氏までその名を連ねており、大いに物議を醸している。