日本において男性の、特に芸事に関わる男性の「遊び」に寛容な風潮は、確実にこれまで存在していた。しかし松本人志氏の報道に際して、こうしたある意味男性にとって都合の良い風潮に変化の兆しを感じる。世の男性が問われている「遊び」のあり方について考えたい。(フリーライター 武藤弘樹)
令和の今、改めて問われる
「男の遊び方」のあり方
ネットは連日、松本人志氏の性加害疑惑に関する話題で持ちきりである。
「文春の報道は真実か」「訴訟の行方はどうなるか」など、いくつかの主要なポイントに特に注目が集まっている本件であるが、そうした本筋に付随する形で「男性の“遊び方”(いわゆる“女性との遊び”)はいかにしてあるべきか」ということが、改めて議論されるようにもなった。
もちろん、報道されている性加害が事実であった場合、それを”遊び”と表現することは令和の現代では憚られる。現時点で強要があったか否かについて両者の認識が食い違うため、ここでは既婚男性の配偶者以外との交際について論じる。男の不倫が”遊び”と表現されてきたこと自体にも、議論があるだろう。
原則的な話として、既婚男性の“女性との遊び”は不倫に該当する。不倫はその字が表す通り倫理に反する行為であり、民法では「不法行為」と定められていて、被害者は加害者に慰謝料を請求することができる。ただし、刑法の犯罪には当たらない。
日本では昔から、既婚男性の女性との“遊び”は大目に見ようという風潮があった。時に女性の“男性との遊び”も同様だが、こちらは世の中を見渡すと男性の“女性との遊び”に比べてサンプルが少なくなる。また、男性芸能人の不倫報道に比べ、女性芸能人のそれの方がペナルティが大きいのではないかという指摘もある。