ともあれ、この昔から続けられてきた「男性の“遊び方”」のあり方や是非について、令和の今、改めて議論が行われていることは意義深く、また個人的な興味を持って筆者は成り行きを見守っていた。令和の空気の中で価値観の刷新が行われる様を、観測できる可能性があったからである。
本稿では、松本人志氏の性加害疑惑の第一報が報じられた昨年12月26日から本日(1月25日)に至るまで、世論がどのように変化してきたかを伝えるとともに、男性の“遊び”に関する価値観が今後どうなっていくかを考察してみたい。
「新時代が来るかも」と
筆者が身構えたワケ
文春告発記事の第一弾が出た当初、世間の関心はダントツで「文春の告発内容は事実か」「強要などの性加害は本当にあったか」にあった。本件に関してコメントする著名人は皆慎重で、「被害に遭われたかもしれない女性の存在はくれぐれも念頭に置くべき」「真偽は裁判などで明らかになっていくはず」というスタンスの人が多かった。
他には「参加した女性にも責任がある」「大人同士のことだから、外野が口を挟むべき事柄ではない」という人もいた。
次に文春が「上納システム」の全容などについて報じると、それに加担した後輩芸人の進退や是非、既婚の超大物芸能人がそうした”遊び方”をしていることの是非に注目が集まった。
加えて「奥さんや子どもがかわいそうではないか」「遊びまくること自体が好ましくないのでは」といった、男性の”遊び”そのものを疑問視する声が聞かれてきた。
筆者が「新時代が来るかも」と身構えたのは、このあたりである。”遊び”への懐疑的な視線は以前からあったが散発的で、「遊びに寛容な社会」に一石を投じるほどの力はなかった。しかし、今回は様子が違うかもしれない……と考えたわけである。