ディーラーのビジネスモデルで、新車販売や定期点検に並ぶ重要な収益源となっているのが自動車保険の販売だ。しかし、ベンチャー企業が手掛ける新ビジネスが普及すれば、ディーラーは保険販売という収益の柱を失う恐れがある。特集『崩壊 ディーラービジネス』(全7回)の#3では、自動車業界を変革する潜在力を秘めるベンチャー企業のビジネスモデルとその狙いを解明する。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)
ディーラーのドル箱を脅かす
ベンチャー企業のデータビジネスとは
ディーラーは、新車や中古車の販売利益に加えて、クルマの定期点検や車検で収益を得ている。
しかし実は、自動車の販売は人件費などの販売管理費がかさむため、利益率は決して高くない。ディーラーは損害保険会社の代理店として自動車保険を取り扱っており、この契約で得られる手数料が大きな収益源となっている。
自動車保険に詳しい関係者は「保険料の総額に対して15~20%が保険を販売したディーラーに支払われるケースが多い」と語る。
だが、“ドル箱”だったディーラーの保険販売は岐路に立たされている。新車の販売台数の減少で保険の新規契約数も頭打ちとなっている上に、ベンチャー企業のスマートドライブが手掛けるサービスが普及すれば、さらに稼げなくなる恐れがあるのだ。
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