崩壊 ディーラービジネス#4Photo:Patchareeporn Sakoolchai/gettyimages

かつて高級車に限定されていた先進運転支援システム(ADAS)が軽自動車にまで装備されるようになった。だが、多くのディーラーはこうしたテクノロジーの普及に対応できずにいる。2024年は大手自動車メーカー各社が次世代電気自動車(EV)を相次いで発売するが、ディーラーの対応が遅れれば、自らの存在意義を問われる事態になりかねない。特集『崩壊 ディーラービジネス』(全7回)の#4では、拡大する販売店間の“技術格差”を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)

軽自動車にも実装されている運転支援機能の
整備ができるディーラーは半数しかない

 クルマの運転支援機能の高度化が著しい。先進運転支援システムはADASとも呼ばれ、ドライバーが安全かつ快適に運転できるようサポートする。複数のセンサーが周囲の情報を取得してクルマの動きを制御したり、緊急時には自動でブレーキをかけたりする。

 近年では、軽自動車にも運転支援システムが実装されるケースが増えてきている。

 例えば、スズキは、昨年11月に発表した軽自動車「スペーシア」に、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた新たな予防安全システムを初めて実装した。車両価格は従来モデルと比べて1割程度高くなるが、普通乗用車と同様の安全性能を持つクルマを持ちたいという顧客のニーズに対応した格好だ。

 CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング&サービス、電動化の四つの技術トレンド)への対応が進む中、安全運転支援以外の機能も進化することが想定される。だが、クルマをメンテナンスするディーラーや整備工場は、テクノロジーの進歩に対応し切れていないのが現状だ。

 次ページでは、ディーラーが技術の進化に対応できていない実態について、具体例を挙げて解説する。