アクセンチュア&ビッグ4、グローバル業績を徹底解剖!「コンサル頂上決戦」の勝者は誰だ?Photo:Victor Cardoner/gettyimages

日本のコンサルティング業界では、アクセンチュアがビッグ4を圧倒するが、グローバルに目を移すとその様相は異なる。そこで長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、世界の巨大総合系ファームであるビッグ4(デロイト、PwC、EY、KPMG)とアクセンチュアについて、グローバル全体の収益力などを徹底比較。各ファームの直近の決算業績を基に売上高や人員などのデータを複合的に分析すると、アクセンチュアが席巻する日本市場とは異なる“頂上決戦”の実情が浮き彫りとなった。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

日本法人社員の給与動向にも直結!?
巨大ファーム5社の収益を徹底比較

 アクセンチュアvsデロイト――。日本でもよく名の知れた巨大コンサルティングファーム同士が、熾烈(しれつ)な“頂上決戦”を繰り広げている。これは、国内の話ではない。欧米に本拠を置く両社において、グローバル全体の収益力を比較した場合の実情を示したものである。

 コンサルは日本のみならず、世界でも随一の成長産業だ。中でも、上流の経営戦略策定から現場に近い業務支援まで担うなど領域が幅広く、急拡大を続けてきたのが「総合系」と呼ばれるファームの一群。具体的には、ビッグ4(デロイト、PwC、EY、KPMG)やアクセンチュアが、世界のトップランナーといえる存在だ。

 そして、このほど直近の本決算が出そろった上記5社の収益力や人員の変遷を比較すると、日本とは大きく異なる競争の実態が浮かび上がってきた。

 何しろ日本では、直近まで10期連続で2桁成長を遂げたアクセンチュアの規模が突出し、ビッグ4の非監査部門の売上高を全て足しても届かないほど。少なくとも規模において、その一強ぶりが際立つ(本連載『アクセンチュア日本法人の財務を徹底解剖!推計時価総額は野村総研、電通に比肩!?』参照)。一方、デロイトは業績低迷が伝わる(『【スクープ】デロイトが内部崩壊!“予算未達ドミノ”で大幅下方修正、「禁じ手」人員削減リストラ計画の全容』参照)。

 この構図はグローバルでは全く異なる。日本の状況とは裏腹に、グローバル全体では、両社は売り上げ規模でトップを争い、直近2期だけでも僅差の逆転劇を起こすほどのデッドヒートぶりなのだ。

 各社の社員にとっても、世界全体の収益動向は、決して看過できる問題ではない。なぜなら、『【スクープ】アクセンチュアが基本給据え置きへ!コンサル絶対王者に生じた異変の中身』でも詳述したように、今回の5社のグローバルでの業績の伸長は、日本にも給与やプロモーション(昇格)などの影響が及ぶことが多いからだ。

 そこでダイヤモンド編集部では、直近3期分の「売上高」「コンサル部門の収益比率」「総従業員数」「人員増加数・増加率」「1人当たり売上高」で各社の実力をビジュアル化した。次ページでは、各種のデータを基に、各ファームの優勝劣敗を明らかにする。業績の勢いが最も鈍い「負け組」とは。一方、グローバルでトップの座を争うアクセンチュアが5社の中で最下位となった“ある指標”についても解説していく。