コンサルティング大手のアクセンチュアが、今年は昇進の対象ではない社員の基本給引き上げを実施しない方針であることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、急成長に伴って、例年社員の給料を大幅に引き上げてきたアクセンチュアに生じた異変の正体について解説するほか、アクセンチュアの基本給据え置きがコンサル業界に与える影響も明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
「基本給据え置き」の異変が判明!
日本法人には例外の措置も存在
急拡大を続けてきたコンサルティング大手のアクセンチュアで、給与と人事を巡って異変が生じている。アクセンチュアが例年、昇給や昇進などを行う12月、今年は法的に義務付けられているなど一部の例外を除き、「昇進の対象ではない社員の基本給引き上げは行わない」との方針を社員に通達したことが、ダイヤモンド編集部の取材で判明した。
据え置きは、アクセンチュアの従業員にとっては、看過できない問題だ。何しろ同社では例年、昇進しなくても年数%、高ければ10%は基本給が引き上げられてきた。ボーナスは年1回支給されるが、年収に対しては基本給の占める比率が高い。今や2万人を超える日本法人内での激しい競争にもさらされる中、昇進は容易でなく、基本給の動向は給与に大きな影響を与えるからだ。
競合となるビッグ4(デロイト、PwC、EY、KPMG)でも、大量採用を抑える動きが出るなどコンサル業界には直近で“異変”が生じている(本連載『【独自】デロイトがコンサル採用停止で独り負け!?アクセンチュア&ビッグ4の最新人員数を公開』参照)。そうした状況の下、今回新たに判明したアクセンチュアの方針はいかなる影響をもたらすのか。
次ページでは、アクセンチュアが昇進なき社員の「基本給据え置き」を決めた理由を明らかにしていく。ただし、アクセンチュア日本法人には人事面では「特例」もあった。その特例とは。アクセンチュアの職位や具体的な年収を示した給与テーブルなども参考に、国内コンサル大手の給与と人事を巡る最新事情に加え、アクセンチュアの措置がコンサル市場に与える影響も解説していく。