米コネティカット州ウィンザーにある勤め先のアマゾン・ドット・コムの倉庫で、キャロライン・ルーテンバーグさんはある日、部下が助けを求めるアラート(警告通知)を受信した。倉庫を横切って見に行くと、部下は白い塗料を浴びていた。誤ってこぼれ出たらしく、その場で身じろぎもしなかった。ルーテンバーグさんは布を取り出し、優しく部下の目を拭った。ガラス質の無表情な視線を返された。だが彼女は「ありがとう」の言葉を期待したわけではない。部下はロボットだからだ。車輪の付いたずんぐりした形状の機械で、ロボット掃除機のルンバの上部にコンベヤーベルトが付いたような見た目だ。さまざまな形状や大きさ、機能を持つロボットが、倉庫内で商品を運搬したり、大学キャンパスで料理を配達したりと、あらゆる用途に導入されている。調査会社インタラクト・アナリシスによると、2023年には倉庫の約21%が何らかの形でロボットを使用していた。2018年の15%から上昇している。