米コネティカット州ウィンザーにある勤め先のアマゾン・ドット・コムの倉庫で、キャロライン・ルーテンバーグさんはある日、部下が助けを求めるアラート(警告通知)を受信した。  倉庫を横切って見に行くと、部下は白い塗料を浴びていた。誤ってこぼれ出たらしく、その場で身じろぎもしなかった。  ルーテンバーグさんは布を取り出し、優しく部下の目を拭った。ガラス質の無表情な視線を返された。だが彼女は「ありがとう」の言葉を期待したわけではない。部下はロボットだからだ。車輪の付いたずんぐりした形状の機械で、ロボット掃除機のルンバの上部にコンベヤーベルトが付いたような見た目だ。