ジョー・バイデン米大統領は民主党の大統領候補指名を獲得した4年前、積極的に進歩派に働きかけ、良好な関係を築いた。ホワイトハウス入りを後押ししたその関係はおおむね続いてきたが、ここにきて左派との間に深い亀裂が生じ、2024年大統領選挙での再選を脅かしている。ガザでの戦争を巡るバイデン氏の対応は、進歩派との関係に緊張をもたらした。さらにメキシコ国境で不法移民を厳しく取り締まる超党派の計画に支持を表明したことで、若者やマイノリティーを含む進歩派有権者との関係が一段と悪化した。バイデン陣営は、20年大統領選当時の支持層を再び集結させることに期待をかけている。つまり、これまで通り進歩派からの支持を維持する必要がある。だが、同氏がイスラム組織ハマスと衝突するイスラエルに理解を示していることや、最近になって国境政策の見直し支持を表明し、選挙の主要公約を破る形で移民制限を進めようとしていることは、一部の左派にとって受け入れがたいかもしれない。