高配当&高成長!新NISAで狙う日本株#19Photo:OktalStudio/gettyimages

直近の時価総額は17兆円超に上り、日本を代表する高成長企業となったキーエンス。一方、直近の2023年4~12月期決算では同期間として3年ぶりの減益となった。平均年収2279万円(23年3月期)という高年収でも知られる同社に、何が起こっているのか。特集『高配当&高成長!新NISAで狙う日本株』(全20回)の#19では、アナリストの分析を基に、強さと課題を検証する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

急成長キーエンスが足踏み
減益でも「強さ」が際立つ理由

 破竹の急成長を続けてきたFA(ファクトリーオートメーション)企業のキーエンスが、ここにきて思わぬ足踏みを食らっている。

 今年1月に発表した2023年度第3四半期(4~12月期)決算は、営業利益が前年同期比3%減の3595億円。増収こそ確保したものの、4~12月期としては3期ぶりの減益となった。

 欧米は堅調だったが、中国などのアジアでFA関連機器が振るわなかったためだ。もっともJPモルガン証券の佐野友彦・株式調査部共同部長は、第3四半期決算の結果が「むしろキーエンスの強さを印象付けた」と語る。なぜか。

 実は、第3四半期決算では、粗利益を売上高で割った「粗利益率」がかつてないほどの高水準を記録していたからだ。下図の通り、直近の粗利益率は80%超に上るのだ。

 次ページでは、本特集#3『新NISAで狙いたい「大型成長株」ランキング!【全50社】3位レーザーテック、1位は?』の大型成長株ランキングに名を連ねた「高年収&高収益」の代表格であるキーエンスについて、営業減益でも粗利率上昇のカラクリを明かすほか、独自の採用手法などの観点から強さの秘訣を分析。業績は拡大傾向だが、海外投資家が懸念する“あるポイント”についても述べていく。