高配当&高成長!新NISAで狙う日本株#15Photo by Masato Kato

特集『高配当&高成長!新NISAで狙う日本株』(全20回)の#15は、#7の前編に続き個人投資家として有名な片山晃氏と井村俊哉氏、すご腕ファンドマネージャーの古賀直樹氏による緊急鼎談の後編をお届けする。彼らが注目する「投資テーマ」や「アイデア」など、新NISAでの中長期投資にも役立つ内容を余すところなく公開。具体的な注目銘柄も併せて紹介する。共通するのは「日本の変化」を意識して、優位性のある企業を発掘することだ。(構成/経済ジャーナリスト・大西洋平、ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

 >>#7『「劣等生だった日本株が変貌しつつある!」資産合計250億円超の凄腕個人&凄腕プロが徹底分析【鼎談前編】』

大型株中心の上昇終焉後に
銘柄選別が必要な局面が来る

――2023年末からの株価上昇は、半導体関連を含めた大型株がけん引したといわれています。前編では「日本株の変化」についてお聞きしましたが、それでも年明け以降の上昇はあまりにも急ピッチだったという印象もあります。

古賀 今まで日本株をほとんど保有していなかった状態の投資家も資金を動かしているので、個別銘柄を精査するのではなく、まずは大型株からまとめて買っていくという投資行動が主体になっているようです。

井村 「よく分からないから日本株全体を買っておこう」みたいな動きが続くと、僕たちみたいに個別銘柄を選別している投資家はいら立ちを感じますね。本当に有望な銘柄だけがちゃんと上がるといった状況になりにくいので。

古賀 確かに、昨年の相場は外国人投資家を中心に日本株全般(株価指数)が買われる色彩が濃く、銘柄選別はあまり報われませんでした。私がファンドマネージャーを務める「アクティブ元年・日本株ファンド」も指数に負ける局面がありました。とはいえ、運用において株価指数は意識し過ぎないようにしています。

 これから世の中がどのように変わっていき、その中で存在感を発揮して株価が上昇しそうな企業に投資するとの観点から個別銘柄を選別しています。時間が経過すれば、こうした動きが落ち着き、個別の銘柄に目が向けられ、それぞれが正当に評価される局面が訪れると考えておりますので、自信を持って選別を行っています。

片山 確かに半導体関連の一部は、バリュエーションをぶっ壊してもいいみたいな雰囲気で暴騰していますね。ちゃんと考えていたら、怖くてとても参加できないような領域に達しています。

井村 もっとも、バブルに見える半導体関連でも、数字を裏付けにして物色されている銘柄もあるわけですよ。先端半導体を手掛ける米国のエヌビディアがあれだけの好決算を発表していますから。

 生成AIの分野で新サービスを開発する競争が熾烈化し、先端半導体に対する需要が急激に高まっています。ビッグテックを中心に、エヌビディアのチップを確保しようとする動きが活発になっているわけです。

 そうなると、半導体製造装置メーカーなども恩恵を受けるでしょうが、難しいのは、どの程度の業績貢献があるのか定量化しにくいことです。ある日突然受注が止まり、“祭り”が終わるかもしれない。とはいえ、この相場は本物かもしれませんので、バリュエーション的に割安で、まだ関連と見られていないような隠れAI・半導体銘柄の発掘を試みています。

 個人的には、特に初心者や経験の浅い人は、すでに上がってしまった銘柄には近づかない方が無難だと思います。ガンガンに祭りばやしが鳴り響いているところよりは、これからは、まだ手が入っていない割安な銘柄を探した方が報われやすいのではないでしょうか。

――新NISAでは、個別株に投資できる「成長投資枠」が設けられています。どういった着眼点で銘柄を選ぶのが有効でしょうか?

すご腕3人が中長期で有望だと考える業種や投資アイデアに加えて、具体的な企業名も紹介。「いい会社」の見つけ方や、リスク分散の手法も取り上げる。