東京証券取引所の市場改革が海外投資家などの関心を集める中、株主還元に手厚い好業績企業には、相対的に資金が流入しやすいといえるだろう。特集『高配当&高成長!新NISAで狙う日本株』(全20回)の#12では、過去3期が全て増収・増益・増配で、今期も増収・増益・増配予想かつ過去3期の平均総還元性向が50%を超える26社を抽出。株価の“大化け”も期待できそうな一群を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
成長性と株主還元の高さを
両立した厳選26銘柄とは?
「株主還元の強化」は、2024年の株式市場において、引き続き注目のテーマといえる。本特集#2『伸びしろ抜群!?「中小型株・28銘柄」リスト、東証市場改革で資本効率改善に期待』でも述べたように、東証市場改革の動きなども相まって、上場企業には以前より一層、株価を上げることを意識した経営姿勢が求められているからだ。
今年から非課税枠が大幅に拡充された「新NISA」(制度の詳細は本特集#1『新NISAの成長投資枠で狙う“日本株”、投信にない「魅力」と8つの意外な「落とし穴」』参照)においても、安定したインカムゲイン(配当収入)が狙える高配当銘柄が人気を博している。もっとも、本業が振るわずに株価が下落した結果、見掛け上の配当利回りが高いだけの“エセ高配当”には要注意だ。
次ページで示す銘柄リストでは、そんな心配をせずに済むように、幾つかの条件から期待度の高い銘柄を厳選した。具体的には、上場全銘柄を対象に、過去3期全てが増収、増益、増配で、今期も増収、増益、増配予想の銘柄を抽出。さらに、配当に自社株買いを加えた「総還元性向」の過去3期平均が50%を超える有望株26銘柄をあぶり出した。
つまり、株主還元を重視しながらも、ビジネスが堅調に推移し、成長性と株主還元の高さを両立した一群だ。銘柄を選定した智剣・Oskarグループの大川智宏主席ストラテジストは、「成長モメンタムが継続し、株主還元への意識が高く、今後さらなる自社株買いや増配の余地が広がる可能性にも期待できる銘柄だ」と指摘する。
“大化け”にも期待できそうな26社リストには、どんな銘柄が名を連ねたのか。早速、次ページで見ていこう。