思い出してほしい。ちょっと前まで「王子」をやってた人が、自分の髪をむしりたおしてるのだ。

 トヨタの社長の御曹司が、急にこんなことはじめたら週刊文春が黙ってないよ。

 そして、修行中、とにかくメシを食わない。断食である。いまはやりの、ファッション断食じゃない。この写真のレベルでやったらしい。

図:P29同書より

 ブッダは、こんな苦行を6年間やりつづけた。

 いやー無理っす。ぼくなら1時間でやめて家もどるな。しかし、ブッダ、6年修行しても、いまいちピンとこなかった。

 だれよりも本気で「苦行」にとりくんだのに、「本当の自分」がぜんぜんみつからない。

 それもそのはず。当時でも、50年以上、苦行してる人とか、ザラにいる世界だ。たった6年で「本当の自分」をみつけられるなら、みんなみつけられる。

 自分探し業界のセンパイなら、「まだまだ苦行がたりねぇな」とおもって、もっと修行をつづけるはずだ。

 しかし、ブッダは、革命的なことを考えついてしまう。