「あのイケメン死にそうじゃね?」
ブッダを救った近所のギャル
たった6年だけど、めちゃくちゃ本気で苦行してきた。でも、なんか手応えがない。
「これ、もしかして意味ないんじゃね…?」。
もっと他に方法あるやろ、とおもったのだ。
しかし、方向転換するにしても、断食しすぎて体力も気力もゼロである。客観的に見て、死にかけの中年男性である。ここでブッダが力つきていたら、仏教はうまれなかった。
しかし、ブッダは「持っていた」のだ。奇跡的に、人類の歴史の転換点をつくる人物があらわれる。
「あのイケメン死にそうじゃね?」と心配した近所のギャルが、おかゆをもってきてくれたのだ。
ギャルはすごい。ふつうの人は「断食してる人に、ごはんあげるとか失礼だよね」って遠慮すると思う。ダイエット中の人にケーキあげないのと一緒だ。
ここで、ブッダに究極の2択にせまられた。――おかゆを食うか、食わないか。
思い出してほしい。ブッダは、妻と生まれたての子供を捨てて、苦行にうちこんできた。
ここで、おかゆを、しかもギャルのおかゆなんて食ってしまったら、今までの努力が無意味になるやんか。