これから述べるのは確かなことだ。ロシアがウクライナとの戦争に勝利すれば、自由な民主主義の独立国家としてのウクライナが終わるだけでなく、欧州の姿も劇的に変化するだろう。ロシアの勝利は自由主義世界の秩序に深刻な打撃を与えるだろう。力ずくで領土を盗み取ろうとするロシアの残忍な試みは、世界各国の他の権威主義的な指導者たちにとって未来図の役割を果たす可能性がある。さらに多くの国々が、領土略奪を企てる近隣国の犠牲になる危険にさらされるだろう。米欧がウクライナの自由のための戦いを支援しているのは、こうした可能性があるからだ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による侵略を一致団結した効果的な対応によって確実に阻むためには、ジョー・バイデン米大統領の指導力が不可欠となっている。これまでのところ、プーチン氏は自ら掲げた戦争の目標をまったく達成できていない。プーチン氏は2週間以内にウクライナの首都キーウ(キエフ)を掌握できると考えていた。それから2年たってもまだ達成には程遠い状況にあり、ウクライナは立派にロシアの猛攻に持ちこたえている。これはウクライナ国民の勇敢な戦いによるものだが、ウクライナに対する西側諸国からの財政・人道支援や武器弾薬の提供の成果でもある。