複数の米当局者によると、ロシアの情報機関は米国防総省がアフリカの人々を生物学的実験の対象にしているとの偽情報を拡散している。西側の公衆衛生プログラムへの批判をあおり、アフリカでの米国の影響力をそぐ狙いがあるという。米ロは世界各地で世論誘導を競っており、ロシアはアフリカと中南米で米国に対抗しようとする動きを強めている。ロシアのアフリカでの情報工作の柱となるのは、昨年末に立ち上げられたオンラインニュースサービス「アフリカン・イニシアチブ」。このサイトはソーシャルメディアを利用して欧米のアフリカでの公衆衛生への取り組みを批判し、西側の製薬会社を糾弾するイベントを開いた。米国務省のグローバル・エンゲージメント・センター(GEC)のジェームズ・ルービン調整官兼特使は「ロシアの情報機関はアフリカン・イニシアチブに多大な支援と指導を提供している」とし、「彼らは正当な医療機関の行っている医療活動に疑念を投げかけ、命を救うことができる医療活動を、アフリカの人々が信頼しないようにしている」と述べた。