Qまだインボイス登録していない人は?

 インボイス登録をするとこのように消費税の納税が発生しますし、それに伴う手間もかかるので、まだインボイス登録をしていない人は申請を躊躇してしまうかもしれません。

 しかし、免税事業者に代金を支払う方からすると、消費税の仕入れ税額の控除ができなくなり、その分の税負担が増えます。そこで「あなたは消費税の納税をしないのだから、消費税分は払わない」と言われてしまう可能性があります。

 もちろん、支払われる段になって問答無用で消費税分をカットされるのは違法ですが、相手先から「お願い」されるのは違法ではないので現実的にはこのような要請は多くなるでしょう。最悪の場合は「仕事の発注がなくなる=取引を切られる」恐れすらあります。最近、なんとなく「インボイスを持っていないところとは付き合うな」といった風潮になってきているので、インボイスがなくてもどうしてもお願いしなければならない相手以外は、現実として取引を切られる可能性が高いと思った方がいいかもしれません。

 なかなか厳しい現実ですが、免税事業者は「預かった消費税を国に納めずに、自分の懐に入れている」と受け取られていることがあることを認識した方がいいでしょう。

 インボイスは我々税理士にとっても大変なことだらけです。しかしもはや後戻りはできません。フリーランスや個人事業主の皆さんは、今まで以上に税金の知識をしっかり身につけ、お金の出入りに敏感になるようにしましょう。それは結果的に「稼ぐ力」をつけることにつながります。

(構成/編集ライター・江口祐子)

AERA 2024年2月12日号

AERA dot.より転載