新聞の1面に「元気玉」

【追悼・鳥山明】僕らはドラゴンボールの子どもだった...プールで「かめはめ波」を撃ち、シャンプーでスーパーサイヤ人になったあの日フランスのマクロン大統領も追悼

『ドラゴンボール改』の主題歌も歌ったシンガー・ソングライターの谷本貴義さんを取材した際、「ドラゴンボールは日本ではアニメだが、海外では文化、思想として根付いている国も多い。ツアーでチリを訪れた時、学生運動が盛り上がっていて、大きな球を“元気玉”に見立てて、国会に学生たちが投げ込むニュースが新聞の1面に載っていた」という話を聞いて驚いた。

 実際、2019年に取材でブラジルに行った際、海賊版のドラゴンボールのTシャツが目についた。当時のブラジルでは『NARUTO』が人気で、現地のアニメファンに「じゃあドラゴンボールは?」と聞くと当たり前のことをなぜ聞くんだという感じで「好きだよ」と言われた。

 鳥山先生の訃報が伝わると、フラメンゴ、クルゼイロ、サントス、グレミオなどブラジルの多くの人気サッカークラブが、SNSで自クラブのユニフォームを着た悟空のイラストやフュージョンポーズでゴールを祝う選手の画像とともに追悼した。

 1990年代にドラゴンボールが放送されたメキシコでの人気も非常に高く、メキシコのテレビ局では通常の番組をすべて中止し、劇場版ドラゴンボールをマラソン放送することを決めた。ヨーロッパでは、フランスのリーグ・アンやスペインのラ・リーガとリーグ自体がSNSで鳥山先生を追悼した。