ラーメン、カレー、すし…日本食人気はアニメの影響大

 昨夏、ドイツで開催されたコミックマーケットには、『NARUTO』の絵がラッピングされているラーメン販売のキッチンカーに行列ができていた。

 同地を訪れていたアメリカ国籍のケルビンさんは、「アニメで知る日本の食べ物って多いですよね。ラーメンもそうだけど、カレーとかすしとかも。アメリカには、日本のアニメの影響で、子どもの頃から箸を持てるようになる子もいるんですよ」と話していた。

 そのアメリカではだいぶ以前から日本のラーメンブームが始まっていた。丸紅北京会社・経済調査チーム長の鈴木貴元さんは、2015年にワシントンに駐在していた頃のラーメン事情をこう振り返る。

「赴任当初は少なかったのですが、それから間もなくして日本で名の知れたラーメン店が進出してきました。すでにニューヨークでは出店ラッシュでしたが、アメリカの日本ブームがここまで及んだのかもしれません。インバウンドの貢献も小さくなかったようです」

 なお、ワシントンでもラーメン1杯に2000~3000円の値段が付くという。

日本の即席ラーメンはアフリカでも広がる

 即席ラーメン(インスタントラーメン)でも動きがある。

「即席ラーメンの需要は、これまで以上に世界的に広がっています」と話すのは、桜井食品(岐阜県美濃加茂市)代表の桜井芳明さんだ。

 同社は創業114年の老舗の袋麺工場で、目下40種類の袋麺の製造・販売を手掛けている。最近はレバノンやUAE、南アフリカ、ケニアなど、新たな取引先がリストに加わるようになり、同社の輸出先は現在30カ国に広がっている。

日本の「ラーメン・即席麺」が世界的ブーム!中国、アジア各国も参戦“全麺対決”がアツいインバウンド客でにぎわう都内のラーメン店

 桜井さんは、新たな市場が広がった理由を「コロナが明けて訪日旅行が活発になり、滞在中に日本のおいしいラーメンと出合ったからではないでしょうか」と語っている。

 ちなみに、日本のカップ麺や袋麺を含む即席ラーメンは、年間1億2698万食が57の国と地域に輸出されている(日本即席食品工業協会)。また、インスタントラーメンの世界各国・地域における総需要は、中国(香港含む)、インドネシア、ベトナム、インドの順で、年々高い伸びを示している(2023年5月時点。世界ラーメン協会)。